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解体工事の分離発注とは?ハウスメーカー一括より安くなる理由と注意点

「解体もハウスメーカーにお任せ」は割高かもしれません

建て替えを計画するとき、多くの方がハウスメーカーや工務店に解体工事もまとめて依頼します。「窓口が一つで楽だから」という理由ですが、実はこの方法だと解体費用が20〜30%高くなるケースが少なくありません。

そこで注目されているのが「分離発注」という方法です。この記事では、分離発注の仕組みとメリット・デメリット、実際に費用がどのくらい変わるのかを解説します。

分離発注とは

分離発注とは、建て替え工事のうち「解体工事」と「新築工事」を別々の業者に依頼する方法です。

発注方法 解体工事 新築工事
一括発注 ハウスメーカーが手配(下請け業者に発注) ハウスメーカー
分離発注 施主が直接、解体業者に依頼 ハウスメーカー

一括発注の場合、ハウスメーカーは自社で解体工事を行うわけではなく、下請けの解体業者に発注します。その際、ハウスメーカーの管理費・手数料(中間マージン)が上乗せされます。分離発注では、この中間マージンがなくなるため費用が安くなります。

分離発注でどのくらい安くなる?

中間マージンの相場は解体費用の10〜30%程度です。具体的な金額で見てみましょう。

項目 一括発注の場合 分離発注の場合
解体業者への支払い 100万円 100万円
中間マージン(20%の場合) 20万円 0円
施主の支払い合計 120万円 100万円

木造30坪の住宅であれば、分離発注にするだけで15万〜30万円程度の節約が見込めます。解体費用が高額な鉄骨造やRC造の場合は、節約額がさらに大きくなります。

分離発注のメリット

①費用を削減できる

最大のメリットは中間マージンの分だけ安くなることです。建て替え全体の予算が限られている場合、解体費用の節約分を新築の設備やグレードアップに回すことができます。

②解体業者を自分で選べる

一括発注ではハウスメーカーが指定する解体業者に自動的に決まりますが、分離発注なら施主が業者を比較して選べます。複数社から相見積もりを取り、価格・対応・実績を比較した上で最適な業者を選定できます。

③見積もりの透明性が高い

解体業者と直接やり取りすることで、費用の内訳が明確になります。一括発注では「解体工事一式○○万円」と大雑把な見積もりになることもありますが、分離発注では項目ごとの金額を確認できます。

分離発注のデメリット

①手間が増える

解体業者を自分で探し、見積もり比較・契約・スケジュール調整を行う必要があります。ハウスメーカーに全て任せる場合に比べると、施主の手間は確実に増えます。

②スケジュール調整が必要

解体工事の完了時期と新築工事の着工時期を自分で調整する必要があります。解体が遅れると新築のスケジュールにも影響するため、余裕を持った工程計画が重要です。

③住宅ローンに解体費用を組み込めない場合がある

住宅ローンに解体費用を組み込む場合、金融機関によっては「ハウスメーカーの見積書に含まれていること」が条件になる場合があります。分離発注だとこの条件を満たせず、解体費用は自己資金や別途ローンで用意する必要が出てくることがあります。事前に金融機関に確認してください。

分離発注を成功させる4つのコツ

①ハウスメーカーに事前に伝える

分離発注にすることを、ハウスメーカーとの打ち合わせ初期段階で伝えましょう。後から「解体は別で頼みます」と言うとトラブルになることがあります。多くのハウスメーカーは分離発注を認めていますが、中には難色を示すところもあるため、契約前に確認してください。

②解体完了時期に余裕を持たせる

新築の着工予定日の2〜3週間前には解体が完了するよう、余裕を持ったスケジュールを組みましょう。天候不良や地中埋設物の発見など、予定通りに進まないケースも想定しておく必要があります。

③解体業者の実績と保険を確認する

分離発注では業者選びが施主の責任になります。建設業許可の有無、賠償責任保険の加入状況、過去の施工実績を確認した上で選定してください。最低3社から相見積もりを取ることをおすすめします。

④解体後の整地状態を打ち合わせる

新築工事にスムーズに引き継げるよう、解体後の整地の程度(地盤面の高さ、基礎の撤去範囲など)をハウスメーカーと解体業者の双方に確認しておきましょう。認識のずれがあると、追加の整地費用が発生することがあります。

「自分で壊せる部分は自分でやりたい」という方は「解体工事をDIYでやるのは可能?」もご参照ください。

まとめ

分離発注は「手間はかかるが確実に安くなる」方法です。建て替え費用を少しでも抑えたい方にとっては、検討する価値のある選択肢です。ハウスメーカーとの調整やスケジュール管理が不安な場合は、経験豊富な解体業者に相談すれば、段取りのアドバイスも受けられます。

株式会社心和では、分離発注による解体工事を多数お受けしています。ハウスメーカーとのスケジュール調整や、整地の仕上げ方についてもご相談いただけますので、お気軽にお問い合わせください。