店舗・事務所の内装解体(スケルトン工事)の費用と流れ|退去時に知っておくべきこと
テナント退去時の「スケルトン戻し」とは?
店舗や事務所を退去する際、賃貸借契約に「原状回復」の条項が含まれていることがほとんどです。その中でも「スケルトン戻し」とは、内装・設備を全て撤去し、コンクリートの躯体(くたい)だけの状態に戻す工事を指します。
住宅の解体とは異なり、内装解体は建物自体を壊すのではなく、テナント部分の造作・設備だけを撤去します。この記事では、内装解体の費用相場と工事の流れ、退去時のトラブルを防ぐためのポイントを解説します。
内装解体(スケルトン工事)の費用相場
内装解体の費用は「坪単価×施工面積」で計算するのが一般的です。業種や内装の状態によって大きく変わります。
| 業種・用途 | 坪単価の目安 | 20坪の場合 |
|---|---|---|
| 事務所(オフィス) | 1.5万〜3万円/坪 | 約30万〜60万円 |
| 飲食店(小規模) | 3万〜5万円/坪 | 約60万〜100万円 |
| 飲食店(厨房設備充実) | 4万〜7万円/坪 | 約80万〜140万円 |
| 美容室・サロン | 2.5万〜4万円/坪 | 約50万〜80万円 |
| 物販店舗 | 2万〜3.5万円/坪 | 約40万〜70万円 |
飲食店はグリーストラップ(油脂分離装置)・排気ダクト・厨房設備の撤去が必要なため、他の業種より高くなります。
費用に影響する5つの要因
①内装の造作量
壁・天井・床の仕上げ材、間仕切り壁、カウンター、棚などの造作物が多いほど撤去費用が上がります。居抜きで入居して自分で内装を追加した場合は、追加分も全て撤去が必要です。
②設備の種類と数
エアコン、給排水管、ガス管、電気配線、給湯器、換気設備など、設備の撤去・処分は個別に費用がかかります。特に飲食店の厨房設備は重量物が多く、搬出にも手間がかかります。
③廃材の処分費
内装解体で出る廃材(石膏ボード、木材、金属、タイル、ガラスなど)は分別して産業廃棄物として処理する必要があります。廃材量が多いほど処分費も比例して上がります。
④建物の階数・搬出経路
2階以上のテナントでエレベーターが使えない場合、廃材の搬出に階段搬出や人力作業が必要になり、費用が加算されます。地下テナントも同様です。
⑤アスベストの有無
築年数が古い建物では、天井材や壁材にアスベスト含有建材が使われている可能性があります。アスベストの除去は専門業者による処理が法律で義務付けられており、追加費用が発生します。
内装解体の工事の流れ
| ステップ | 内容 | 期間の目安 |
|---|---|---|
| ①現地調査・見積もり | 業者が現地を確認し、工事範囲と費用を算出 | 1〜3日 |
| ②契約・スケジュール調整 | オーナーへの工事届出、近隣への挨拶 | 3〜7日 |
| ③養生・準備 | 共用部の養生シート設置、電気・水道の手配 | 半日〜1日 |
| ④設備撤去 | エアコン・厨房機器・照明器具等の取り外し | 1〜2日 |
| ⑤内装解体 | 壁・天井・床・間仕切りの撤去 | 2〜5日 |
| ⑥廃材搬出・処分 | 分別した廃材をトラックで搬出 | 1〜2日 |
| ⑦清掃・引き渡し | スケルトン状態に清掃し、オーナーに引き渡し | 半日〜1日 |
20坪程度の店舗であれば、工事期間は1〜2週間が目安です。飲食店など設備が多い場合や、ビルのルールで作業時間に制限がある場合は、さらに日数がかかることがあります。
退去時のトラブルを防ぐ3つのポイント
賃貸借契約書の「原状回復」の範囲を確認する
「原状回復」の定義は契約書によって異なります。「スケルトン戻し」なのか「入居時の状態に戻す」なのかで、工事の範囲と費用が大きく変わります。契約書の文言を確認し、不明な点はオーナーや管理会社に確認してください。
特に注意すべきは以下の点です。
・「入居前の状態」とはどの状態を指すか(写真や図面で記録があるか)
・入居前から存在していた設備(前テナントの残置物)は撤去対象か
・床や壁の下地まで撤去する必要があるか
退去の3か月前には動き始める
内装解体は見積もり依頼から工事完了まで1か月程度かかります。退去日が決まったら、遅くとも3か月前には解体業者への相談を始めましょう。年度末(3月)は繁忙期で業者の予約が取りにくくなるため、早めの手配が重要です。
オーナー指定業者と自分で手配する業者を比較する
賃貸借契約に「原状回復はオーナー指定の業者に依頼すること」という条項がある場合があります。ただし、その場合でも相見積もりを取って比較交渉することは可能です。指定業者の見積もりが相場より著しく高い場合は、オーナーに交渉する余地があります。
内装解体と建物解体の違い
| 項目 | 内装解体(スケルトン工事) | 建物解体 |
|---|---|---|
| 対象 | テナント部分の内装・設備のみ | 建物全体(基礎含む) |
| 目的 | 原状回復・次テナントへの引き渡し | 更地にする |
| 届出 | 原則不要(80㎡以上は建設リサイクル法届出が必要な場合あり) | 建設リサイクル法届出・建物滅失登記 |
| 工期 | 1〜2週間 | 2〜4週間以上 |
| 費用 | 坪1.5万〜7万円 | 坪2.5万〜7万円 |
まとめ
店舗・事務所の内装解体(スケルトン工事)は、業種や設備の状態によって費用が大きく変わります。退去日が決まったら早めに動き、賃貸借契約の原状回復範囲を正確に把握した上で、複数業者から見積もりを取ることが費用を抑えるポイントです。
株式会社心和では、店舗・事務所の内装解体にも対応しています。テナント退去に伴うスケルトン工事のお見積もりは無料ですので、お気軽にご相談ください。